死にたがりな殺したがり
ぐちゃ、と倒れこむ『体』。


べしゃり、と打ち付けられる『頭』。



18禁グロ規制でもされそうな程グロい光景が、今、俺の目の前で起こったんだ。


血の海とでもいった比喩が使われそうな程、赤黒い液体が辺りに広がる。


血独特の異臭が俺の鼻をかすめるが、なにより俺の脳へと印象づけたのは、『人の爪』だった。


本物なのか、しかし妙に長い『人の爪』。


ギネス認定された人より少しだけ短い、だけど仰天するほど長く伸ばされたソレに、俺の注意はそらされた。


だが何より驚いたのは、ソレを所持している『人間』だ。

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