ハレイロ

こんな喧嘩をした後。

結局僕は君が気になって、君の家まで行ってみることにした。



その途中の小さな公園のブランコ。

そこで君は泣いていた。



僕がそこに近づくと、君は少し驚いたが、またブランコの上で固まってしまった。


「さっきは―――ゴメン。」

一応謝ってみたが、やはり動かない。
なら…

「今回の件は、君の意見を聞かずに騒ぎを起こした僕が悪いと思う。だから誤りに来た。けど、君がいやなら別に許さなくて良い。君、さっき言ったでしょ。“ゼロからやり直せる気はしない”って。それでも良い。ただ、僕はまだ、君が好きだ。大好きだ。だから、一緒に居たい。それだけ…伝えに来た。」


僕はそれを言い終わると、君の乗っているブランコに背を向けて、帰ろうとした。
その時。

君が後ろから僕に抱きついた。


「だから言ったじゃない。“浮気してる余裕がない”って。」

「どういうこと?」


「あんたのそういうとこ、すごく好きなのよ。物事にアツいのか、サバサバしてんのかわかんないけどさ。人の台詞まで勝手に引用しやがって…」


君がそう言い終わると、僕は君と向き合い、君を思い切り抱きしめた。

「…苦しい。」

「ちょっと我慢して。」


そうして、僕の顔の熱が引くまで僕は、君を離さなかった。


大事なこと、忘れてた。


初めてのキス。

この日だ。


この日は初めてづくし。


喧嘩に、君の涙、泣き顔に、キス。


ものすごく思い出に残った、青春の1ページってやつ??


今では、全部がキラキラ光って見えてくる。


< 7 / 24 >

この作品をシェア

pagetop