新創世録
起源
失楽園
その男は、赤い実を食べた。
その女も、赤い実を食べた。
----------禁断の果実。
「アダムイヴ!!なんで?!どうして?!?!あんなに食べるなって言ったのに、、、、、どうして……」
創造主なる神は、その場に崩れ落ちた。
「ごめんなさい、ごめんなさいっ……」
荒れ狂う神に罪悪感に塗れた顔で謝る女。
「でも……もう俺たち決めたんだ。ここを出ていくって」
自分の胸で泣き崩れる女を守るように、男はそっと抱きしめた。
某然とひざまずく神と、寄り添う二人。
その間には、確かに隔てるものがあった。
「………そんなの…こっちから願い下げだよ…………君たちはもう知らない……男と女の感情を持ってしまった君たちなんていらない…………汚い、汚い汚い汚い!!!どうせ僕を置いていくんだろ?!だったらもうエデンの園にはいさせてやらないよ!!東へ追放してやる!!!消えろ!さっさと僕の目の前から消えてくれ---------………!!!」
雲と雲を割く程の巨大な稲妻。
まるでこの世界を二つに分断したような。
神は独りになった。
彼の世界で独りになったのだ。
人々はのちにこの出来事を、
『失楽園』
と呼ぶ。