新創世録



ここは天界。




地上の遥か上、誰も知らないような場所にある。正式には違う次元にあると言ったほうが良いかもしれない。




どんなに発達した文明の利器を使ったところで、天界に到ることはできない。どんなに空高く飛んでいっても、宇宙に出るだけである。




では、どうやったら天界へ行けるのか。



それは、『死』あるのみである。


言い方は悪いかもしれないが、元々天界に生まれついた者でないならば、一度死ぬしか天界へ辿り着く方法は無い。




しかしもし死ぬようなことがあっても、最後の審判でミカエルによって悪人だと判断されれば、天界へ入ることはおろか、地獄へ落とされてしまう。




それ程入るのが困難なくらい天界は神聖な場所であり、犯してはいけない聖域なのだ。




それもそのはず、天界での生活は幸せを約束されており、誰もが笑顔で幸福な日々を満喫することができる。




そこには嫉妬や妬みなどという邪悪な感情はなく、互いに尊重し合い、思い思いに好きな活動ができる。



天界にいれば自然と利益を求めなくなり、競争や肉体労働も生まれなくなる。




つまり天界は神の創りあげた完璧な世界なのだ。




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