シュガーレスキス
 もうすぐ4月だ。
 菜恵と付き合って2年目……何てスローペースな付き合いなんだ。
 2年もあれば結婚さえ決める人間だっていそうだけど、俺達は体の交流さえ満足に交わせていない。
 精神的にもまだまだ不安定で、特に俺は日々菜恵を監視する事でいっぱいいっぱいだ。
 菜恵は週末になると、のん気におたく仲間との会合を楽しんでいるらしく、俺はやや放っておかれている気がして……言葉にはしないけれど、実は多少寂しいと思っていたりする。
 それでも今までの態度を崩すのも何だか負けた気がして嫌だから、わざとツンツンと接している。

「聡彦は相変わらずツンツンだよね!」

 こう言われても特に嫌われてる感覚は無いから、態度は変えない。
 菜恵が甘えてきても「くっつくなよ」なんて言ってつっぱねたり、会社で見かけると相変わらずパシリみたいな事をさせてるけど、菜恵はそれについては特別文句を言ったりはしない。
 ただ、俺の都合がいい時ばっかりエッチになるのは嫌だと言っている。
< 135 / 281 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop