シュガーレスキス
「はい?」

 何だか真面目な顔をした如月さんが、私をじっと見ている。

「さっきの……君だから」
「え?」
「だから。俺が気に入ってる女性……君だから」
「……」

 何を言われたのか瞬時に解釈できず、私はそのままボッとしていた。

「じゃ、気を付けて帰れよ。お休み」

 飄々とした調子で背中を見せ、如月さんはそのまま駅の向こうに消えていってしまった。
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