シュガーレスキス
「そうなんですか。それで……人間嫌いは変化したんですか?」

「そうだな、人間全部を好きだなんて全く言えないけど。大勢の人間がいて、その中でほんのわずかだけど好きになれる人もいるっていうのは分かったな。だから、どれだけ多くの人間と触れ合うかで、好きな人間に会える確率が決まると思ってる」

 そうか、それで社内でも社外でもたくさんの人と触れ合おうとしてるのか。
 最初から積極的なの人かと思ったけど、実は反対だったというのを知って、私は結構驚いていた。

「後藤さんはさ、仕事続ける気あるの?」

 今日は何故か質問モードらしく、こんな質問もされた。

「考えた事ないですね。可能な限りは続けたいですけど」

 漠然とした自分の未来を考えてみる。
 結婚をしてるのかどうか分からないけれど、私は家の中に引っ込んでもそれなりにオタク主婦として楽しんでいられそうだ。
 でも、社会と関わっている為に、仕事は続けていたい気もする。

「どうしてそういう質問されるんですか?」

 逆に私はそう聞いてみた。

「結婚したら辞めるとか子供出来たら辞めるとか言うのはもったいないから」

 如月さんはこう即答した。
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