シュガーレスキス
 昨日の夜「俺が死んだら……」なんて言ってた彼を思い出す。

 やめてよ、聡彦は死んだりしない。
 ちょっと気を失ってしまっただけだよ。

 私は思わず救急車を追いかけて走り出していた。

「後藤さん!どうしたの」

 車を置いて戻ってきた如月さんが驚いて私に声をかけた。

「私、このまま直帰にしてください。お疲れ様でした」

 そう言い残し、私は聡彦の乗せられた救急者に同乗した。
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