シュガーレスキス
 結局私はその日は仕事にならず、アパートに帰ってからも何度もトイレで吐いていた。
 おかしい……ショックはあったけど、こんなに気分が悪いなんて私の心や体もおかしくなってしまったんだろうか。

 次の日から2・3日間ずっと私の嘔吐は止まらず、結局病院に駆け込むことになった。

 聡彦からは何度か携帯に連絡があり、私と付き合っていた事もそれなりに客観的には理解しているという感じだったけど、いつものような馴れ馴れしい口は利いてこなかった。

 聡彦との付き合い……これで終わりになってしまうんだろうか……?

 ぼんやりそんな事を思って病院の待合室でグッタリしていた。
 名前を呼ばれ、診察室に入り、色々症状を聞かれた。
 すると、先生から何故か微妙な顔をされた。

「あの……何か病気ですか」
「いえ、その……かかる病院を変えられた方がいいですよ」
「は?」

 ここは普通の内科だ。
 もっと大きい病院に行けって事だろうか。

「体は健康です。ただ、妊娠されてる可能性がありますね……一応チェックするスティックが市販で売られてますから、それで確認してもう一度婦人科にかかった方がいいでしょう」
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