シュガーレスキス
 心の状態が体にも影響するのか、体調がどんどん悪くなる。
 いつも通りの仕事がやけに長く感じて、ようやくお昼休憩になった。
 シフトが重なって一緒のランチがとれる日だったけど、私は沙紀に動けない事を伝えて、仮眠室で休む事にした。
 ここは職員が夜勤とかする場合に使う仮眠室で、真昼の今頃使用する人はいない。

「あとでパンと牛乳ぐらい買ってきてあげる。常備薬の風邪薬ぐらいは飲んだほうがいいよ」
「ありがとう」

 沙紀が去って、シンとなった仮眠室で私はとにかく少しでも寝ようと痛む頭をかかえて目をつむった。
 布団をかけてるはずなのに寒気が止まらない。
 ただの風邪にしては随分体もだるいし、関節とかが痛い。
 これは、もしやインフルエンザ!?

 そう思った時にはなんだかもう立ち上がるのも無理そうな状態になっていた。

 カチッと部屋のドアが開いて、誰かが部屋に入ってくるのが分かったけど、顔をそっちに向けるのもつらくてそのまま黙って寝ていた。
 沙紀が早めに戻ってくれたのかもしれない……ぐらいに思っていた。

 すると、ふっと私のおでこに冷たい手が当てられるのが分かった。

 誰?

 そう思って顔を上に向けると、冷静な顔をした聡彦が立っていた。
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