シュガーレスキス
1-5 嘘
私の部屋を大家さんにまで連絡して合鍵を手にした如月さんが入って来たのは、ちょうどお昼ぐらいだった。
カーテンも閉めたままだったから、外が晴れてるのか曇ってるのかも分からない。
「後藤さん!どうしたんだ……会社を無断欠勤するなんて。何かあったのか?」
部屋の隅に丸くなっている私に駆け寄って、如月さんは私の肩を揺すった。
私は涙も出なくて、呆然と彼の顔を見た。
「赤ちゃんが……駄目かも」
「え?」
「出血して……お腹が痛いの」
そこまで言って、私は意識を失った。
※
気が付くと、私は白いベッドの上に寝かされていた。
どう見ても病院だ。
「あら、後藤さん。気付きましたね?」
ピンクのエプロンをかけた中年の女性が私にそう声をかけた。
「私、助産師の川村といいます。ここは総合病院の婦人科でね、あなた救急車で担ぎこまれたのよ?」
「救急車……」
そこまで聞いて、私は如月さんが部屋に入ってきた場面を思い出した。
きっと彼が救急車を呼んでくれたのに違いない。
カーテンも閉めたままだったから、外が晴れてるのか曇ってるのかも分からない。
「後藤さん!どうしたんだ……会社を無断欠勤するなんて。何かあったのか?」
部屋の隅に丸くなっている私に駆け寄って、如月さんは私の肩を揺すった。
私は涙も出なくて、呆然と彼の顔を見た。
「赤ちゃんが……駄目かも」
「え?」
「出血して……お腹が痛いの」
そこまで言って、私は意識を失った。
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気が付くと、私は白いベッドの上に寝かされていた。
どう見ても病院だ。
「あら、後藤さん。気付きましたね?」
ピンクのエプロンをかけた中年の女性が私にそう声をかけた。
「私、助産師の川村といいます。ここは総合病院の婦人科でね、あなた救急車で担ぎこまれたのよ?」
「救急車……」
そこまで聞いて、私は如月さんが部屋に入ってきた場面を思い出した。
きっと彼が救急車を呼んでくれたのに違いない。