シュガーレスキス

1-3 沢村さんとの対決(SIDE聡彦)

SIDE 聡彦

 沢村さんの元気が無くて困ると上司から言われ、もう俺は腹を割って話そうと覚悟を決めた。

「沢村さん、体調はどう?」

 とりあえず久しぶりに声をかけるのだから……という事で、そんな質問をした。

「ええ、普通ですけど」

 そう言いつつ、顔色は良く無い。

「病院に通ってるって聞いたんだ……そこの先生とちょっと話していいかな」
「……え?」

 いきなりプライベートな事に話を突っ込まれ、彼女は驚きの顔をしていた。

「沢村さんの何が問題なのか、率直に医者と話してみたいんだけど」
「いえ、いいです。別にお薬とかももらってないですし」

 医者が薬を出さないで治療するって事あるか?
 またもや不審な気持ちが沸いてくる。

 どうやら病院に行くのは断固拒否みたいだったから、仕方なく軽く飲んで話さないかと誘いを変えた。

「舘さんと二人ですか?」
「ああ、そうだよ。駄目?」
「いえ、嬉しいです」

 こういうところは案外素直に嬉しいという顔をする。
 全く手に負えないとは思えないんだけど、どうやって気持ちを俺から逸らしてやればいいのか悩む。
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