シュガーレスキス
1-4 分かり合えない人(SIDE奈恵)
SIDE 奈恵
どうしても気になる手紙。
聡彦はそれを開ける気配が無く、積み上げられた書類の間にはさまったままだ。
彼は、仕事から帰って来ると「変わった事無かったか?」と、必ず聞く。
以前よりも心配する頻度が上がった気がして、どうしたんだろう。
「開けないで忘れるって事は大した事無いんだよね」
なんて言い訳をしながら、その手紙の封を切ってみた。
中からは、3枚ほどにわたって書かれたちょっとしたラブレターが出てきた。
「沢村さん?」
手紙の一番最後に“沢村より”となっていて、もう疑う余地無しだ。
几帳面な字で、びっしりと書かれた聡彦への思い。
そこには、仕事を教えてもらった事へのお礼と、もしよければこうして時々手紙を書きたい事などが遠慮気味に書かれていた。
こんなに異性を好きになった事が無いから、自分でもどう処理していいか分からないとも書かれている。
彼女なりに、ギリギリなほど思い詰めているのが分かる文章だ。
聡彦はここまで膨れ上がった彼女の気持ちを知っているんだろうか。
家に戻ってからは沢村さんの「さ」の字も話題に出さないし、私からも何となく聞きにくくて、そのままにしていたんだけれど。
こういう手紙を見てしまうと、私も放置しておけない気持ちになる。
どうしても気になる手紙。
聡彦はそれを開ける気配が無く、積み上げられた書類の間にはさまったままだ。
彼は、仕事から帰って来ると「変わった事無かったか?」と、必ず聞く。
以前よりも心配する頻度が上がった気がして、どうしたんだろう。
「開けないで忘れるって事は大した事無いんだよね」
なんて言い訳をしながら、その手紙の封を切ってみた。
中からは、3枚ほどにわたって書かれたちょっとしたラブレターが出てきた。
「沢村さん?」
手紙の一番最後に“沢村より”となっていて、もう疑う余地無しだ。
几帳面な字で、びっしりと書かれた聡彦への思い。
そこには、仕事を教えてもらった事へのお礼と、もしよければこうして時々手紙を書きたい事などが遠慮気味に書かれていた。
こんなに異性を好きになった事が無いから、自分でもどう処理していいか分からないとも書かれている。
彼女なりに、ギリギリなほど思い詰めているのが分かる文章だ。
聡彦はここまで膨れ上がった彼女の気持ちを知っているんだろうか。
家に戻ってからは沢村さんの「さ」の字も話題に出さないし、私からも何となく聞きにくくて、そのままにしていたんだけれど。
こういう手紙を見てしまうと、私も放置しておけない気持ちになる。