シュガーレスキス
先週はお腹の子のエコーを見る為に、聡彦と一緒に病院へ行った。
彼がどうしても動いている赤ちゃんが見たいというから、少し恥ずかしかったけれど、電話で夫になる人が一緒に行く事を病院に伝えてから出かけた。
「俺が婦人科に足を踏み入れるなんて、一生無いと思ってたんだけどな」
さすがに女性だけしかいない待合室を見て、彼は足を一瞬止めた。
「私だって検査受けてるところ聡彦に見られたくないよ。でも、まあ……生命の神秘を
見るのは悪くないと思うし。一度見てみて。すごく不思議な感じになるよ」
彼の手を握って、私の方が少し励ますかたちで待合室に入る。
エコー検査は、少し膨らんできた5ヶ月のお腹をさらして行われる。
にゅるっとしたゼリーみたいなものをお塗られて、するするとエコーがお腹の上を滑る。
「これが胎児です。順調みたいですね」
白黒の良く分からない画面の中でも、心臓のトクトクいっている様子は分かる。
聡彦は目を皿のようにしてそれを覗き込んでいた。
「えと、これが頭ですか」
「そうですよ。手も足もちゃんとありますしね。うちはカラーじゃないので分かりにくいかと思いますが……これだけでも結構人間の形をしているのは分かりますよね」
「はい。いやー……本当に人間が育ってるんですね」
すごく素直に驚いて感動している聡彦を見て、私はクスッと笑ってしまった。
彼がどうしても動いている赤ちゃんが見たいというから、少し恥ずかしかったけれど、電話で夫になる人が一緒に行く事を病院に伝えてから出かけた。
「俺が婦人科に足を踏み入れるなんて、一生無いと思ってたんだけどな」
さすがに女性だけしかいない待合室を見て、彼は足を一瞬止めた。
「私だって検査受けてるところ聡彦に見られたくないよ。でも、まあ……生命の神秘を
見るのは悪くないと思うし。一度見てみて。すごく不思議な感じになるよ」
彼の手を握って、私の方が少し励ますかたちで待合室に入る。
エコー検査は、少し膨らんできた5ヶ月のお腹をさらして行われる。
にゅるっとしたゼリーみたいなものをお塗られて、するするとエコーがお腹の上を滑る。
「これが胎児です。順調みたいですね」
白黒の良く分からない画面の中でも、心臓のトクトクいっている様子は分かる。
聡彦は目を皿のようにしてそれを覗き込んでいた。
「えと、これが頭ですか」
「そうですよ。手も足もちゃんとありますしね。うちはカラーじゃないので分かりにくいかと思いますが……これだけでも結構人間の形をしているのは分かりますよね」
「はい。いやー……本当に人間が育ってるんですね」
すごく素直に驚いて感動している聡彦を見て、私はクスッと笑ってしまった。