シュガーレスキス
■第1章(2話)
2-1 疑い
聡彦が2日ばかり通ってくれたおかげで、私の体はすっかり元気になった。
自分のケアが出来ないというのは、その通りで。
多分あのままだったら、私は仕事を1週間は休まないといけなかったと思う。
本当に聡彦が優しかったから、私は自分が元気になってしまったのがちょっと残念だなと思うぐらいだった。
もう彼から提示される無茶なルールには従う必要ないみたいだったけど、結局彼は私に「好き」とか「愛してる」という言葉は聞かせてくれなかった。
それでも口で言う程彼は薄情なわけじゃなくて、それなりに私とは恋愛関係にあるつもりで付き合っていたらしい。
不器用なのか器用なのか分からない人だ。
復活した初日、私はちょっと企画部に届けるものがあって、聡彦のいる部署に足を運んだ。
「失礼します」
20人ぐらいいるその部署に、私はこそこそと入って、部長席に書類を置いてすぐに出ようとした。
「菜恵」
後ろから聡彦の声がした。
廊下を早足に歩いていた私の足が止まる。
自分のケアが出来ないというのは、その通りで。
多分あのままだったら、私は仕事を1週間は休まないといけなかったと思う。
本当に聡彦が優しかったから、私は自分が元気になってしまったのがちょっと残念だなと思うぐらいだった。
もう彼から提示される無茶なルールには従う必要ないみたいだったけど、結局彼は私に「好き」とか「愛してる」という言葉は聞かせてくれなかった。
それでも口で言う程彼は薄情なわけじゃなくて、それなりに私とは恋愛関係にあるつもりで付き合っていたらしい。
不器用なのか器用なのか分からない人だ。
復活した初日、私はちょっと企画部に届けるものがあって、聡彦のいる部署に足を運んだ。
「失礼します」
20人ぐらいいるその部署に、私はこそこそと入って、部長席に書類を置いてすぐに出ようとした。
「菜恵」
後ろから聡彦の声がした。
廊下を早足に歩いていた私の足が止まる。