シュガーレスキス
「後藤さん?何か顔赤くなってるけど……暑い?」

 確かにこの日は日差しが強くて比較的暑い日だったんだけど、汗をかくほどではなかった。

「いえ、ちょっと日差しが強いかなっていう程度です」
「そう?にしても食堂の列ってすごいね。いつ食べられるのか分からないなあ」
「あ、でも流れちゃえば結構早いですよ。食べる人も長居しないですし、45分しか休憩無いから皆わりと急いで食べてるんです」

 私は自分の焦りを隠しながら、八木さんに食堂の事を色々説明した。

 この様子を真後ろで全部聡彦が聞いているかと思うと、本気で立ちくらみしそうだったんだけど、どうしようもない。
 
 第一もう聡彦は関係ない人だ。

 彼だってサードカーを失ったぐらい、どうってこと無いに違いない。

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