シュガーレスキス
 早食いは得意じゃないのに、無理したせいで相当胃が重い。
 何で今日に限ってカツカレー定食しか残ってなかったのか……。

 もたれた胃を抱えて、私は資料館に戻った。
 今日は3人で交代しながら受付してた。私が戻ったから、次は沙紀が昼食に出た。
 先輩社員の沖田さんには、45分きちんと休憩をとっていただく。
 これが先輩後輩の関係だ。
 私と沙紀は本当にたまにしか一緒にランチする事が出来ない。
 何となくフラストレーションも溜まっていて、そろそろ沙紀と愚痴大会を開きたくなっている。
 聡彦の事も全部暴露してしまいたいし、先輩への不満とか、色々。

 午後になるなり、私の心みたいに空が雨雲に覆われだした。

「やだ、降りそうだね」

 そんな事を沙紀と話していたら、4時ぐらいからとうとう降り出してしまった。
 一応毎日携帯傘を持ち歩いてるから、私はとりあえず濡れずに帰れるな……とか思っていた。
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