シュガーレスキス

3-2 ツンが消える日(SIDE聡彦)

SIDE聡彦

 菜恵は俺のもの。
 こう告げて彼女を本当に手に入れた。

 正直、あんな脅迫まがいのメモで本当に来てくれるのか疑問だった。
 俺はああいう感じでしか女性に接触できない。
 ものすごく不器用と言えば何だかいいものに聞こえるけど、俺の場合「異常」だ。
 好きな女性が切なそうに俺を見ているのがたまらなく好きだ。

 独占欲が強いっていうのは自分も苦しいし相手をも相当苦しめる。
 菜恵を好きになるほど自分が彼女を追い詰めるのを感じる。
 近寄る男全てが敵に見えるし、実際菜恵は自覚してないだけで、男性社員の間で相当人気がある。
 だから余計菜恵が別の男に走るんじゃないかという脅迫観念が働く。

 それを素直に表現できる男の才能が心底羨ましい。

 菜恵に触れられるのは俺だけだ。
 彼女の熱いまなざしを受けるのも俺だけ。
 それが例えアニメの主人公でも、実は許せない。

 こう思うまで自分がのめり込んだ女性は今までいなくて、相当自分がおかしな性格をしている事を自分で思い知っている毎日だ。



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