シュガーレスキス
それで、結局俺は菜恵を待っている間に自分が雨に濡れていくのもどうでもよくなって、呆然とアパート前で立ち尽くした。
「聡彦!」
菜恵の声がして、躊躇無く傘を投げて駆け寄ってくる彼女の姿が見えた。
もうすっかり嫌われたと思っていたのに、菜恵は濡れた俺を抱きしめて優しく家の中に上げてくれた。
あの瞬間から、俺はもう菜恵無しでは生きられないんだと分かった。
菜恵には「愛してる」とか「好きだよ」とかいう言葉で愛をささやいた事が無い。
口にしたとたんに心が逃げる感じがする。
それほど菜恵に対する思いは言葉に変換できないものだ。
この強い思いを伝えたら、彼女に引かれてしまうんじゃないかっていうほどだ。
素直に謝ってから、俺達の関係は前より深くなった。
お互いの部屋を普通に行ったり来たり。
自分の部屋に菜恵のパジャマとかがあるのを見ると、何だか妙に照れくさかったりする。
「照れるキャラクターじゃないだろ」
と、自分で突っ込みを入れてしまう。
「聡彦!」
菜恵の声がして、躊躇無く傘を投げて駆け寄ってくる彼女の姿が見えた。
もうすっかり嫌われたと思っていたのに、菜恵は濡れた俺を抱きしめて優しく家の中に上げてくれた。
あの瞬間から、俺はもう菜恵無しでは生きられないんだと分かった。
菜恵には「愛してる」とか「好きだよ」とかいう言葉で愛をささやいた事が無い。
口にしたとたんに心が逃げる感じがする。
それほど菜恵に対する思いは言葉に変換できないものだ。
この強い思いを伝えたら、彼女に引かれてしまうんじゃないかっていうほどだ。
素直に謝ってから、俺達の関係は前より深くなった。
お互いの部屋を普通に行ったり来たり。
自分の部屋に菜恵のパジャマとかがあるのを見ると、何だか妙に照れくさかったりする。
「照れるキャラクターじゃないだろ」
と、自分で突っ込みを入れてしまう。