シュガーレスキス
 ひねくれた心がボロボロに崩れ去っていく音が聞こえるぐらい、俺の心がハンマーで叩き壊された。
 菜恵が好きなのがアニメの主人公で助かった……。
 現実の男だったら、ちょっと自分でもその男をどうしたか分からない。
 今後、菜恵が「ハヤト」とかいうヒーロー以外の男を好きにならないように十分注意しなければ。

 結局俺は菜恵の体の全てをまだ知る事が出来ていない。
 本当にキスして体を寄せ合うだけで満足になっている自分が不思議だ。

 可愛い、可愛い俺の天使。

 絶対離さないからな。
 他の男に心を流したりしたら、俺が崩壊するんだ。

 だから俺は自分を守るためにも菜恵をどんな手段を使っても傍に置く。

 口にはしてないけど、愛してるよ……菜恵。
 心から。

 この言葉が、いつか口からじゃなくて、俺の存在から感じ取ってもらえないものかな。
 それを考えながら、今日も俺は菜恵の柔らかい体を抱いて眠る。
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