シュガーレスキス
 菜恵の笑顔は俺のものだ。

 菜恵の声も俺のもの。

 何より……菜恵の心は俺にしか触る事は許されないんだ。
 誰が決めたわけでもないけれど、これは俺が決めた鉄則だ。

 あのイケメンに、菜恵が言いよられて悪い気はしてないだろうな……という想像はつく。
 それが何より腹立たしい。
 俺は今目の前にいる、多分相当可愛いはずの彼女にですら大して心は動かない。
 酒も入っていて、心もほぐれている。
 もう少し色気が出ても良さそうなのに、全く体も心も反応しない。

 異常体質か……俺は。

 菜恵に対してしかセクシーな感情が沸かない。
 あのすべすべした白い肌に触れられるのは俺だけなんだと思う瞬間が一番幸せだ。
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