シュガーレスキス

「分かった。俺も菜恵のそんな傷跡見たくないし……しばらくまだ会わない方がいいみたいだな」

 そう言って、聡彦は怒りもしないで無表情のまま帰って行ってしまった。
 あの聡彦が……全く私を責めなかった。
 そういう次元を超えて、何だかすごく傷ついた顔をしていた。

「聡彦……ごめん。ごめんなさい」

 私は彼の出て行ったドアを見ながら、後悔の渦にのまれていた。
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