シュガーレスキス
4-4 それぞれの事情(SIDEミックス)
SIDE 聡彦
「どういうつもりだ」
「何がです?」
俺が相当な怒りを秘めて八木にそう言ったのに、奴は顔色ひとつ変えずにいる。
人の来ない屋上で冷たい風にさらされながら、俺達は睨みあっていた。
菜恵についたキスマーク。
あんなのを見て、俺はもう少しで菜恵を無理やりどうにかしそうになっていた。
泣いても騒いでも……菜恵は俺のものなんだと、手に入れようとしていた。
それを必死で我慢し、今に至っている。
八木の存在は無視できないほど大きなたんこぶのように膨れ上がっていて、俺の心の中では、ある種「脅威」にさえなっていた。
直接対決し、二度と菜恵には近付かないようにする為にここへ奴を呼び出した。
少し会話したところで俺は気付いた。この男の持つ不気味な2面性を。
八木という男は、周囲に見せている柔和な顔と、今俺に見せている冷えた顔の2種類を持っている。
「どういうつもりだ」
「何がです?」
俺が相当な怒りを秘めて八木にそう言ったのに、奴は顔色ひとつ変えずにいる。
人の来ない屋上で冷たい風にさらされながら、俺達は睨みあっていた。
菜恵についたキスマーク。
あんなのを見て、俺はもう少しで菜恵を無理やりどうにかしそうになっていた。
泣いても騒いでも……菜恵は俺のものなんだと、手に入れようとしていた。
それを必死で我慢し、今に至っている。
八木の存在は無視できないほど大きなたんこぶのように膨れ上がっていて、俺の心の中では、ある種「脅威」にさえなっていた。
直接対決し、二度と菜恵には近付かないようにする為にここへ奴を呼び出した。
少し会話したところで俺は気付いた。この男の持つ不気味な2面性を。
八木という男は、周囲に見せている柔和な顔と、今俺に見せている冷えた顔の2種類を持っている。