あの夏の季節が僕に未来をくれた
「お父さんも同じ気持ちだと思うから……

大丈夫だからね?」


そんな微妙な俺の気持ちが伝わったのか、なおも大丈夫だと母は言ってくれる。


(ほら、やっぱり兄貴だって愛されてるじゃないか)


そう思ったらなんだか笑いが込み上げた。


お互い言葉が足りないだけなのに。


勝手に相手の気持ちを推し量って何も言えない兄貴にも、父さんや母さんにも。


不器用すぎて可笑しくなる。


そんな俺をじっと何かを考えるように見ていた母が、ふいに口を開いた。





















「あなた……

ほんとに……雅紀?」
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