あの夏の季節が僕に未来をくれた
「あ、あぁ……

あのさ……えっと……

明日話があるんだ!

お…親父のことで……

進路のことも含めてなんだけど」


「あ?進路?

わかった、いいけどさ……

何かあったのか?

そんなの明日言やぁいいのに電話してくるなんてさ

親父さんに反対でもされたか?」


いつもしない電話を、こんな時間にかけたことで、どうやら不審がらせてしまったようだ。


(やばいなぁ、電話くらいしょっちゅうしてんのかと思ったのに)


「や、そういうわけじゃないんだけど

ちょっと……な

お前に早く伝えたかったから」


なんとか話を濁しながらそう言うと、佐伯はようやく納得してくれた。


「わかった、じゃあ明日いつものとこでいい?」


佐伯がククッと笑いながらそう言ったのを聞いて、俺はしどろもどろになりながら答える。


「お、おぉ……

じゃあよろしくな?

それで…さ?

……もし俺が忘れてたら、一声かけてもらえるかな?」


はぁ?と佐伯の声はますます疑わしそうになった。


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