あの夏の季節が僕に未来をくれた
「ほんとだよ!ばーか!
お前が自分を嫌いなのは勝手だけどさ

てことはそんなお前と友達な俺はなんなんだって話だろ?」


佐伯の言葉はいつも俺の頑なな心を簡単に解してくれる。


いつか俺も、佐伯にとってそんな男になれるだろうか?


「そうだよな?悪かったよ……

もう俺なんかなんて言わないからさ

俺もお前になら何でも話せるような気がするんだよね?

だからほんと……ありがと」


精一杯感謝してる気持ちを佐伯に伝えたかった。


ありがとうなんてこんな風に言ったのなんて何年ぶりだろ?


父や母にも素直に言えなかった言葉が、佐伯の前ならスラスラ出てくることに驚いた。


「あのさ……」


佐伯が気まずそうに俺に言ったから。


「何?」


普通にそう聞いたんだけど。


「俺ら、恥ずかしくね?」


「はっ?何がだよ?」


佐伯の言ってる意味がわかんなくて、俺はまた聞き返す。


「だからさ、大の男二人が公園のベンチで、ありがとうだのお前が初めてだの

よく考えたらすげー気持ち悪っ!」


「うわっ!確かに……」


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