あの夏の季節が僕に未来をくれた
俺ならわかるって佐伯が言ってくれただけで満足だった。


一人でも何も言わなくてもわかってくれる相手がいるって幸せなことだ。


それに、父とはずっとあまり話さない環境だったんだから。


俺のことをわかってもらいたいなんて、むしのいい話だったのかもしれない。


逆に言えば、俺だって父さんのことわかるかって言われたらわからないんだから。


昨日のいじけた考えの自分が、佐伯の言葉で前向きな考えに上書きされていく。


父さんが早く帰ってきたら、自分の気持ちを話してみよう。


そう思えることが出来て、俺は少しだけ前に進んだような気がした。


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