あの夏の季節が僕に未来をくれた
佐伯のおかげで、少しずつ前に進み始めた家族を見ていて嬉しくもあった。


兄貴の心は少しは癒されただろうか?


閉ざしていたシャッターは、そろそろ開けてくれるだろうか?


夏休みに入り、すみれちゃんに会える時間はもう残り少ない。


俺は焦っていた。


だから……


やっぱりまだ俺を受け入れようとしてくれない兄貴に。


俺は仕方なく最終手段に出るしかなかったんだ。


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