あの夏の季節が僕に未来をくれた
「お兄ちゃん!」
「なんだよ、奈々」
「雅紀くんにちゃんと言ってくれた?」
「あぁ、言っといた言っといた
今日の午後来るってさ」
「ほんと!?じゃあ、急いでケーキ作んなきゃ!」
バタバタと慌ただしい妹は、俺の親友の青木に恋心を抱いてる。
もちろん、本人から聞いた訳じゃないが、妹を見てれば、気づかない方がおかしい。
分かりやすいほど態度に出てるのだ。
高校の頃から家に出入りしてた青木を、俺と同じように慕いだしたのはいつだったか。
それが恋に変わったのはごく最近だと思う。