あの夏の季節が僕に未来をくれた
「たぶん、過呼吸だと思います。保健室に連れて行ってもいいですか?」
俺がそう説明して、付き添いを申し出ると、弟は苦し気な顔をしながらよろよろと席を立った。
「ひと……り……で……行け……る」
俺まで試験を受けられなくなることを心配したんだろう。
弟はそう言って一人で教室を出ていった。
試験監督の先生の指示で、もう一人後ろで監督していた先生が、弟の後を追う。
「弟さんはきちんと保健室に連れて行って処置をするから、君は試験に集中しなさい」
先生はやさしくそう言って、教壇の方へと戻って行く。
前を見ると事情を知る中学の仲間たちが、心配そうに俺を見ていた。
こいつらにまで迷惑をかけたら、弟が悲しむ。
そう思った俺は小さく頷いて見せて、目で俺たちだけでも頑張ろうと、そいつらに伝えようとした。
その気持ちを汲んでくれたのか、みんなは俺に頷き返すと、また前に向き直って問題を解き始める。
俺は弟が心配だったけど、これで受験に失敗したりしたら、一番悲しむのは弟だと思い直して、頑張ろうと決めた。
俺がそう説明して、付き添いを申し出ると、弟は苦し気な顔をしながらよろよろと席を立った。
「ひと……り……で……行け……る」
俺まで試験を受けられなくなることを心配したんだろう。
弟はそう言って一人で教室を出ていった。
試験監督の先生の指示で、もう一人後ろで監督していた先生が、弟の後を追う。
「弟さんはきちんと保健室に連れて行って処置をするから、君は試験に集中しなさい」
先生はやさしくそう言って、教壇の方へと戻って行く。
前を見ると事情を知る中学の仲間たちが、心配そうに俺を見ていた。
こいつらにまで迷惑をかけたら、弟が悲しむ。
そう思った俺は小さく頷いて見せて、目で俺たちだけでも頑張ろうと、そいつらに伝えようとした。
その気持ちを汲んでくれたのか、みんなは俺に頷き返すと、また前に向き直って問題を解き始める。
俺は弟が心配だったけど、これで受験に失敗したりしたら、一番悲しむのは弟だと思い直して、頑張ろうと決めた。