夢恋

キス

【戸城side】

放課後、屋上から教室に向かう途中、すごい足音が近付いてきた


『戸城くーーーん!!』


後ろを向くと、相沢の友達で朔兎の彼女の夏川が、すごい勢いで俺に駆け寄ってきた


『どうした?』

『こっ…これ』

息を乱しながら、夏川が差し出したのは小さく折られた白い紙


俺は、それを受け取り開いた


【今日の放課後東校舎の裏で待っています    玲奈】


『実は、すず嫌がらせ受けてて…その犯人が、柏原さんなの…お願いすずを助けて…』


は…………?


相沢が嫌がらせ……それをしたのが………玲奈………



俺は白い紙をギュッと握りしめ、走り出した






東校舎に近付くにつれ、人の気配はなくなっていく。そんな静まり返った場所で、玲奈の叫び声が聞こえた



俺は狭い道を全速力で走り抜ける。角を曲がると、そこにはカッターを振りあげている玲奈と相沢がいた…
< 127 / 209 >

この作品をシェア

pagetop