夢恋
ーー6月
外は、激しい雨が降っている

『何で傘忘れるかなぁー…』

あたしは、げた箱にしゃがみ込んだ

一向に雨は降り止む気配はない



ボー…っと、外を眺めていると、後ろから聞き覚えのある声がした

『おっ鈴夏ぢゃん』

話しかけてきたのは、小学校から一緒の金井 達生(かない たつお)

しかしあたしの目には、達生は映っていなかった
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