夢恋
だって隣には、大輔が立っていたから。至近距離で見るのは、初めてだった

あたしは、瞬きをすることすら忘れていた




『こんなとこで、何してんだ?』

この台詞で、やっとあたしは、大輔から達生を眼中に入れた

『…傘忘れたの』

すると、達生は笑い出し



『今日の降水確率100%だったのに、ばっかぢゃねぇーの』

『朝から天気予報なんて、みてこねぇーんだよっ』

そう言ってやりたかったが、隣に大輔がいたので、何とか抑えた





『じゃあ俺の傘貸そうか?』

この言葉が、あたし達の始まりだったんだ
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