夢恋
『戸城ー起きてーー!!』

相変わらず、屋上で寝てる戸城を起こすのは、毎日の日課になりつつある


このままぢゃあ、留年するんぢゃないかってちょっと心配……


『んっ……相沢…?』

そう呟くと、いきなりあたしの手を引っ張り、抱き締めた

『ちょっ…戸城寝ぼけてる!?』

『んー…もうこのまま相沢も一緒にサボろ?』


至近距離で微笑む戸城にドキドキしながらも、あたしは戸城の胸を押して離れた

『ダメに決まってんぢゃん!!ほらっ早く立って』

『んー…』


嫌がる戸城の腕を引っ張り、無理矢理立たせた所で予鈴のチャイムが鳴った

『げっ!戸城急がないと』


慌ててドアに向かおうとしたとき

『相沢!』


戸城に呼ばれて振り向くと、チュッと戸城の唇が自分の唇に触れた


『充電完了』


そう言うと、戸城はスッキリした顔で笑った


そんな戸城を無言で睨むと


『何?もう1回?』

『なっ…そんなわけないでしょっ!!///』


そう言って、屋上から出ようとしたとき、優しい風と共に懐かしい声が聞こえた

ーーー大輔………



『相沢?早く行くよ』

『あっ…うん』


もう一度屋上を振り返り、雲一つない青空を見上げてあたしは微笑んだ



大輔…あたしは今最高に幸せだよ



【終】
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