夢恋
『すず最近戸城くんに冷たくない?』

女子トイレで手を洗っていると、隣で腕を組んでいるナッチに言われる

冷たいこと何て、自分でも分かってる。わざとそうしてるんだから…




それからあたしに話しかけることもしなくなった戸城は、教室に居る時間すら少なくなっていた




『戸城はまたサボリか!?全く、留年する気か…』

出席を確認した先生がぼやきながら、教科書を開いた

暑い教室の中で、あたしと戸城の間にだけ冷たい風が吹き抜けた…


今日から梅雨に入り、窓の向こうには灰色の空が果てしなく広がっている―……







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