ヤンヤンデレデレ
「構っているなら、私の方を構ってください!」
ぽかーんとしたのは早かった。
「今日は久しぶりの『お外でデート』なんですから、他の人に声をかけるだなんてやめてください!今日は私、例え、有象無象がいる外でも、瑞希さんだけと話していようと決めていたのに……!」
「でもね、誉。誉の体に触れただけでなく、あまつさえ怪我をさせようとしたこいつらにはそれ相応の償いをさせなきゃ」
「怪我なんかしません、瑞希さんが守ってくれるって分かっていますから!」
「それはそうだが。ほら、誉に触れたのは変わりないんだし、バイ菌移した罪は消えな――」
い、と彼――瑞希が言い終える前に、誉はカバンからファブリーズを取り出した。