ヤンヤンデレデレ
遅くなると言う彼に、誉はあからさまに落ち込んだ。
「お金が憎い」
「お金なきゃ、こうして生活できないし、今辛抱すれば、後々、働かなくてもいい二人っきりでずっと愛し合える毎日が送れるよ」
諭す瑞希は大人だ。誉とて成人はしているものの、どこか幼い。
正社員になってお金をより稼ごうにも、誉のスキルでは毎度何かしらを“やらかす”。
バイトとて危ういであろう。二人で暮らし初めてから、「私も稼ぎます」とやってみたものの、もうすぐで辞表二桁更新となる。
それを補うかのように、瑞希は“何でもこなす”。