【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
その言葉だけでなんの事かわかったらし
く、向坂くんはバツが悪そうに目を伏せ
た。
「だから部屋で吸うなって言ったんだよ
……」
何かをボソッと呟いた向坂くんは、私を
ジッと見つめて。
ちょっと困ったようにくしゃりと顔を歪
めた。
「……ごめん。でも約束破ったんじゃ、
ないんだよ。豊が……アイツ、俺の部屋
で堂々と煙草吸うから、匂いがついちゃ
ったんだ」
「芝崎、くんが……?」
まさか芝崎くんがそんな男の子だとは思
っていなくて目を見開く私に、頷く向坂
くん。
優等生じゃ……なかったんだ…。
なんて一人で納得していると───。
「さっ、向坂くん!?」
私は思わず声を上擦らせてしまった。