【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
男嫌いだとはわかっていても、止められ
ない衝動に身を委ね、泣き虫兎を抱き寄
せた。
折れてしまいそうに華奢な身体。
ふわりと香る、花の匂い。
それらに誘惑されるように、くらくらと
目眩がした。
もういっそのこと、どこにも行かれない
ようにこの腕のなかに、閉じ込めてしま
いたい、とさえも。
ここ数日感じていたイライラと、微かな
楽しさ。
こいつが他の男と喋ってるだけで。この
身体を触れさせてるだけで、イライラす
る。
だけど少し苛めただけで顔を真っ赤にさ
せて、瞳を揺らすこいつを見るのは楽し
い。
手放したくない、と心から思う。
きっと俺は、こいつを───……。
コイツから聞いた事実は思ってたよりも
壮絶なものだった。
もうほとんどトラウマじゃねーか。