【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
はい、とうなずきかけて、ん?と首を傾
げる。
頑張れよって、それじゃまるで───…
「向坂くんは出ないんですか?」
「出ない」
出ないって即答されても……。
「ちゃんと出ないと……成績、下がっち
ゃいますよ」
「進級できりゃなんでもいい。……つか
、次って数学だろ。俺、数学得意だし」
……数学得意だなんて、なんて羨ましい
。
私なんて、中学生からみっちりやり直し
たいくらいなのに。
「……気が向いたら、来てくださいね」
屋上を出る直前でそう言うと、向坂くん
はもう目を瞑って寝ている様子だった。
教室に戻ると、かなえちゃんが駆け寄っ
てきた。
「澪っ!」