【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
見ると、それは向坂くんで。
「溝口。コイツちょい借りる」
「ほいほーい。持ってけ持ってけー」
なんて二人のやり取りを呆然を聞きなが
ら、ひっそりとした、空き教室に押し込
まれた。
……ていうかかなえちゃん……持ってけ
持ってけって、私をなんだと思って…。
「あ、あの…向坂くん?」
「……これは、命令だ」
「は?」
思わず怪訝そうな声を出してしまった私
。でも普通だよね。
だっていきなり"命令"だなんて……。
「逆らったら……痛い目みるぞ」
「ひっ……」
ギロッと私を睨みながら、ドスの効いた
声でそう言ってくるから、三歩くらい、
後ずさる。
痛い目って言われて、私が向坂くんにこ
てんぱんにやられる所を想像してしまっ
た。