【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
*空side
「あっちぃ……」
ジリジリと容赦なく照りつけてくる太陽
に、俺はそうぼやいた。
額に浮かぶ汗をTシャツで拭ってから、
前髪をかき揚げて、ハチマキをするよう
に黒のタオルを頭に巻く。
八月中旬───夏、真っ盛り。
「やー、あっついねぇ」
苦笑いしながらやって来た豊を、ちょっ
と睨む。
「もとはと言えば、お前が俺に手伝いな
んて無理やりさせるから……」
「感謝してるよ。ありがと、空♪」
……ったく、調子のいいやつめ。
事の始まりは、昨日の夜のことだった。
「海の家ぇ~?」
豊から”海の家でバイトして欲しい”と電
話が来たのは、昨日の夜のことだった。