【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
ちょっと恥ずかしいね、なんて苦笑いし
ながらそう言ったかなえちゃん。
……うん。私もこれは、恥ずかしい。
「……あ。澪のダーリン来たよ?」
「ダーリン?」
なにそれ、と首を傾げた瞬間、ポン、と
何かが頭に乗って。
「……泣き虫兎」
なんて声がした。
私をそんな風に呼ぶのは一人しか居なく
て、私の頭に乗っかったのはそんな彼の
手のひらだと知った。
ちょっと後ろを見上げれば、そこにはや
っぱり───……
「向坂くん!」
向坂くんが立っていた。
向坂くんは、いつも通りの制服で、そこ
に立っている。
「向坂くん、仮装しないの?」
「誰がやるかあんな恥さらし!」