【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
私の席にもちょっと侵入しながら、机に
突っ伏してる男の子の姿があった。
しかも、"男の子"ってだけで拒絶反応を
起こしてしまいそうなのに、更にその男
の子が―――……。
向坂君、で。
サラサラの金髪が開け放たれた窓からな
だれ込む、春風にふわり、ふわりと揺れ
ている。
足音を立てないようにそっと近寄ると、
机の隙間から、僅かにあどけない寝顔が
見えた。
いつもは目力が強くて怖い目も、今は閉
じていて、まるで天使のような寝顔。
……寝てれば、あんまり怖くないのにな
あ、なんて思いながら、ふと、彼の手先
に気付いてぎょっとした。
彼の指先には、まだ火がついたままの煙
草が握られている。
こんな教室の中で堂々と……!しかも、
寝ちゃってるし!