【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
二人で、キャンプファイアを見ていると
……。
「悪かったな……」
不意に、向坂くんがそう言った。
そんな向坂くんの瞳には、ゆらゆら揺ら
めく炎が映ってるだけで。
向坂くんがどんな思いでそれを言ってい
るのかなんて、わからなかった。
「何が……」
「無理やり彼女にさせて、悪かったな。
……でも撤回は、しないぞ」
撤回……。
「撤回、しなくていいの……」
そう言うと、向坂くんが驚いたように私
を見て。
私はなんだか恥ずかしくて、そのまま目
を伏せた。
「なんだか……もっと向坂くんと近付け
た気がして、嬉しいから」
そう言って、えへへ、とちょっと笑った
ら。