【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~




不意に、向坂くんの手が伸びてきて、私
の後頭部に回ったかと思うと───……



「んぅ…っ!?」



まるで息を塞ぐかのように、唇になにか
柔らかくて、熱いものが当たった。



視界を埋めるのは、目を伏せた整った向
坂くんの顔と、揺れる金色。



何が起こってるのかわからなくて。



それがキスだって気付いたのは、向坂く
んの唇が離れてからだった。



「向坂く、ん……なん…んっ……!」



なんで。───そんな言葉はまた、向坂
くんの唇に飲み込まれて。



なんで、こんなことになってるの。



「ん……きゃっ」



何度目かのキスをした時、不意に抱かれ
て体が宙に浮き。



「澪……」



酷く熱っぽい、そんな声を耳元で流し込
まれながら、床に寝かされた。





< 172 / 314 >

この作品をシェア

pagetop