【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
「澪……大丈夫?」
「か、なえちゃん……っ」
かなえちゃんが、心配そうに私を覗きこ
むから……だから…。
「やだ……、やだよぉ、かなえちゃん」
我慢できなくなっちゃって、泣いちゃっ
た。
そんな私を、何も言わないで抱き締めて
くれたかなえちゃん。
だけどこんな時でさえも、おもいだすの
は向坂くんに抱き締められたあの感覚。
辛い。他の女の子を、あんな風に抱き締
めてほしくない……。
ああ……どうしよう…。
好きに……なっちゃった。
向坂くんが、好き。男嫌いだったのに…
…好きになっちゃったんだ。
「───まだ、話せない?」
あのまま近所の公園に連れていかれ、や
っと涙がおさまった頃、かなえちゃんが
そう言った。