【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
「澪、おいで」
向坂くんは、いつもこんな感じで……な
んというか、甘い。
ココアに大量の砂糖入れたみたいに甘く
私を溶かそうとしてくるの。
でも、そんな風に言われたら───…。
まるで魔法でもかけられたかのように、
吸い込まれるようにそっちに手を伸ばそ
うとしたら……
───パシッ
その手を、かなえちゃんに掴まれて、阻
止された。
「させないわよ」
そんなかなえちゃんを、向坂くんが睨む
。
「俺に喧嘩売ってるのか、溝口」
「向坂くんに喧嘩なんて売ったら、死ぬ
でしょ。向坂くん、澪が居ると話になら
なくなるから、用件が終わるまで待って
」
かなえちゃんがそう言うと、向坂くんも
諦めたのか、広げていた両手を閉じた。
それがちょっぴり惜しいなあ、なんて。