【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
「俺のこと、怖いんじゃねーの?」
「え……」
「今日、ずっとびくびくしてただろ。あ
、他の男でも同じか。でも俺にはすげー
ビビってた」
そう言われて、思わず目を伏せてしまう
私を、向坂くんはまた笑った。
「図星か」
仕方ない。だって怖いの。あの時から、
ずっとあの光景がこびりついて離れてく
れない、のに。
そんな簡単に、男を信用なんて出来るわ
けないよ───。
「男嫌いってヤツか?」
コクッと頷く。
すると向坂くんは顎に手をあてて、何か
を企むような含み笑いを浮かべた。
「……イイコト思い付いた」
イイコト……?
なんだろう、と思った瞬間、手元から奪
われる煙草。