【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
コンビニが見えてくると、もう向坂くん
が待っているのが伺えた。
壁に凭れて、ケータイを弄ってる。
そんな姿も、カッコいいなぁ……なんて
。もうすっかり向坂くんにぞっこんなん
だよね。
携帯に夢中でこっちに気付いてない向坂
くんを驚かせたくて、忍び足で近寄る。
そして、向坂くんとの距離があと二歩く
らいまで縮まったとき───……
「気づいてんぞ、澪」
「!」
向坂くんは突然そう言うと、携帯の画面
を閉じてから、私を見下ろした。
それからちょっと呆れたように息を吐く
。
「ったく、朝っぱらから何してんだ」
「き、気づいてたんだ…」
そう言うと、ちょっと笑って、「あんな
のに気付けなかったら、喧嘩の時にあっ
という間に殺られてる」ってさらりと言
った向坂くんにゾクッとした。
私、多分気づけない。